2019.10.30
肩の痛み 肩峰下滑液包炎 インピンジメント症候群 腱板 棘上筋
本日は、4つの筋肉についてご紹介させて頂きます。
1.棘上筋
<起始>棘上窩 <停止>大結節
<支配神経>肩甲上神経 <作用>肩関節外転
2.棘下筋
<起始>棘上窩 <停止>大結節
<支配神経>肩甲上神経 <作用>肩関節外旋
3.小円筋
<起始>肩甲骨外側縁 <停止>大結節
<支配神経>腋窩神経 <作用>肩関節の外旋
4.肩甲下筋
<起始>肩甲下窩 <停止>小結節
<支配神経>肩甲下神経 <作用>肩関節の内旋
棘上筋は、僧帽筋の肩部の下層で棘上窩を満たしており、肩関節の上方を超える腱となって上腕骨大結節に停止していて、肩関節の外転(腕を横に上げる動き)を開始する際に働き、三角筋の協力筋でもあります。また、上腕骨頭を関節窩に強く固定する働きがあります。
棘下筋は、肩甲骨の背面の棘下窩全域から始まっていて、肩関節を凱旋する働きがあり、棘上筋と棘下筋は、ともに腕神経叢の上部経幹から出ていて、上肩甲横靭帯をくぐり、肩甲上神経によって支配されています。
小円筋、肩甲骨の外側縁から始まり、棘下筋の下を並行して走っており、停止は、棘下筋の停止部(大結節)のすぐ下であり、棘下筋同様に肩関節の外旋に作用しています。
肩甲下筋は、肩甲骨の前面から起こり、肩関節の前面を走行しており、停止は上腕骨の小結節に停止し、支配神経は、肩甲下神経が支配していて、肩関節の内旋の動きに関与しています。
以上のような特徴を持つ4筋ですが、この4つの筋肉をまとめて腱板筋(ローテータカフ)とも呼ばれており、本日は腱板筋が関与する疾患について症例などを用いてご紹介します。
<肩峰下滑液包炎・インピンジメント>
この疾患は、先ほど紹介した腱板・肩峰下滑液包が方の動き(外転)により烏口肩峰アーチに繰り返し衝突することのより腱板の炎症・変性につながり最終的には断裂してしまうことがあります。そして腱板の中で最も障害を受けやすい筋肉は棘上筋で、なぜかというと棘上筋が烏口肩峰アーチの直下にあり、肩峰と上腕骨または大結節との間で挟まれる事が多いからです。
症状としては肩を挙上(上へ挙げる)・外転(肩を横に上げる)や投球動作・水泳などの動きで痛み・引っかかり感を訴えるようになり、夜間痛もあります。
<症例>
栃木県足利市在住・90歳男性 肩の痛みを訴え来院
所見:肩峰下に圧痛(+) 外転(+) 外旋(+)ペインフルアークサイン(+) アンテリオールテスト(+) リフトオフテスト(+)
検査の結果・・・肩峰下滑液包炎
治療法・・・電気治療 手技(肩) 超音波
まず、電気治療をしたあと腱板・肩周辺の筋肉の緊張を取り胸郭を広げるように手技をし、更に超音波機器を使って炎症部位の抑制・関節の動きを促進するような治療を行いました。その結果痛みは徐々に低下し、肩の動きも少しずつ良くなり、外転動作も可能になっていきました。
このように患者さんの症状をしっかり検査し、適切な治療法を選択して症状緩和を図っていきますので体の痛みでお悩みの方ぜひ、太田市・足利市のかわうちはり灸整骨院へご来院ください。