2026.02.24
不眠症の症例
不眠に対して
35歳 男性
デスクワーク
【主訴】
自律神経の不調 不眠
眼精疲労、朝起床時、頚部~背部の痛み
【来院日】
R7. 12. 26
初回整体コースで来院
主訴)不眠・頚部~背部の凝り・痛み
川岸先生が担当
施術)猫背矯正、頚背部の鍼
運動器にアプローチしたが、不眠は自律神経の影響が強く、
改善に時間がかかると判断したため、東洋医学治療を選択肢として提案
【現病歴】
3年程前から、原因不明の不眠に悩まされている。
2年前に脳神経外科を受診。去年の9月頃循環器内科に受診したが、
はっきりとした原因は分からずとのこと。
精神科も2年前から受診しており、安定剤を貰いに2ヶ月に1回通院している。
薬局で漢方を購入したが、不眠に対して効果を感じられずやめてしまった。
精神科の薬も効果は実感出来ていない。
健康診断でも身体の異常は特になし。
夜就寝時に、イヤホンをして音楽や動画を見て寝落ちしている。
【既往歴】
なし
【診察所見】
『初回』
脈診)脾胃胆虚、少々腎虚
腹診)脾
舌診)脾、紫黒
顔色)黒
証)脾胃気虚、腎陰虚
随伴症状)軟便、耳鳴り、手足の冷え、乾燥しやすい、トイレが近い
【施術】
本治→脾
陰陵泉(水穴)、太白(土穴)ライト灸1クール
標治→胃、胆、腎
胃)胃の気3点、豊隆(絡穴)ライト灸1クール、解渓(火穴)
胆)陽陵泉(土穴)、陽輔(火穴)ライト灸1クール
腎)太渓(原穴、土穴)、復溜(金穴)
肺)太淵(原穴)、尺沢(水穴)、中府(募穴)
+α 外ネーブル、えい明、緊張緩和処置、脈に出ている兪穴
脾を本治として治療。軟便に対して補法。
胃は(脾と表裏の関係)、胆は脈で虚だったので処置。
腎虚→耳鳴り、冷え、トイレが近い。に対して補法。
肺は脾の子にあたる部分なので補う。
『二回目』
経過)前回施術後、5~6時間一気に眠れ、朝起床時もスッキリしていた。
まだ、朝起床時の頚部~背部の痛みあり。
年末年始は飲み会が続いたため、胃もたれしている。
脈)肺腎胃虚
腹診)胃虚
〈施術〉
本治→腎
太谿(原穴)、復溜(金穴)、陰谷(水穴)
湧泉(木穴)、腎兪直接灸
標治→肺、胃、脾
肺)前回に+太淵(原穴)直接灸
胃)脾)前回と同じ
+起立筋に対して扇形に鍼、頚背部(運動器として)鍼
『三回目』
経過)睡眠→、朝起床時の頚部~背部の痛みは↓
三日前、サッカーを昼間やって夜はお酒を飲んだら寝られた。
脈)腎虚、肝実
腹診)胃
〈施術〉
本治→腎
前回に+命門、志室
標治→肝、胃
肝)中封(金穴)、蠡溝(絡穴)、曲泉(水穴)、行間(火穴)、肝兪
胃)前回と同じ
【考察】
本症例では、最終的に本治を腎虚として治療。まず、腎は生命活動を維持するのに重要な経脈であり、腎虚により寧静作用が低下し、夜間に心神を鎮めることができず、不眠が生じたと考えられる。他にも、腎が低下したことにより相生関係の肺、相克関係である脾、その表裏関係にあたる胃が主に虚しており、随伴症状として、軟便、耳鳴り、手足の冷え、乾燥、トイレが近い、動悸、息苦しさという症状が出ていると考える。
【今後の治療方針】
まず、生命活動を維持しるのに重要な腎をメインで治療し、その日の状態に応じて配穴を調整し、不眠及び頸部~背部の痛みの改善を図る方針とした。



